「一歩が踏み出せる」積極性のあるエンジニアを育成できた理由とは。

株式会社マイナビ

研修コース 新卒技術研修

株式会社マイナビ デジタルテクノロジー戦略本部の新卒技術研修は、2022年度からアイティ・アシストが担当しています。本インタビューでは、研修をご依頼いただいている同本部のお二方に、研修コンセプトや、アイティ・アシストの研修の成果について率直なご意見を伺いました。

研修の概要

研修名

新卒技術研修

特徴

ハイブリッド形式の新卒技術研修。集合研修では、チームに分かれてシステム開発のプロジェクトを実施。新入社員が自ら研修を運営する「研修運営プロジェクト」も並行して実施し、受講者の前向きな姿勢を伸ばす構成に。

目的

・基本情報技術者試験に受かる知識とスキルを備える。
・システム構成図を自力で書き、それぞれのやり取りについて説明できる。
・システム開発の各工程を理解し、どのタイミングでどのタスクが必要になるか把握できるようにする。

対象

新入社員51名

日数

3カ月間

新卒技術研修の狙い、新人の成長ポイント

— 新卒技術研修の狙いや、アイティ・アシストへのオーダーを教えてください。

デジタルテクノロジー戦略本部 IT企画推進統括部 IT企画推進部 部長 有田 大志さん、以下、有田さん)弊社の新卒技術研修は、入社後3 カ月間を研修期間と定め、基本的にはIT技術を満遍なく学び、習得することを意図して企画しています。加えて、社会人として働く土台、心構えや姿勢を準備することが狙いとなっています。

デジタルテクノロジー戦略本部 IT企画推進統括部 IT企画推進部IT企画推進課 課長 石合 美夕貴さん、以下、石合さん)社会人として、エンジニアとして、疑問に思ったことや新しいことに自らキャッチアップしていける、「仕事に向き合う姿勢」が実現できるように、アイティ・アシストには研修をオーダーしています。

— アイティ・アシストにはどういった経緯で依頼することになったのでしょうか?

有田さん)じつは、弊社の育成の企画担当社員が以前アイティ・アシストの新人研修を受けており、そこでの体験と記憶が社会人としての自分の在り方や業務と密接に関わっているという話を聞きました。実際にアイティ・アシストとお打ち合わせをした際に、マイナビが求める教育を実現してくれると思えたので依頼を決めました。
初回のお打ち合わせの際に、弊社の企画担当者を実際に教育したアイティ・アシストの担当者に来ていただいたのですが、生徒が恩師に久々に再会したような雰囲気で「信頼できるな」と感じたのが決め手です。

— 実際に、アイティ・アシストの新卒技術研修を受けた人たちはどのような成長が見られましたか?

有田さん)全体の傾向として、社会への接し方や、仕事への姿勢が積極的です。新卒技術研修を終えてすぐの段階で「一歩踏み出す」ことができるようになっている。この初期値の違いは印象的でした。
こういう一歩踏み出す=先回りができる姿勢は、ITの仕事において非常に大切です。というのも、ユーザーサイドは、商品サービスの抱えている課題を理解していない場合もあり、システムをつくるときも、リクエストの見落としや伝え漏れが起こりがちです。そのため、私たちエンジニアが気付いて指摘する姿勢のほうが良いものが作れることがあります。
ですから受け身のスタンスではなく、気を回したり、実際に自分が疑問に思っていることを確認したりしてくれるエンジニアが会社には必要なのです。

「行動力があって、失敗を恐れない人材が育っています」と話すお二方。

— 前向きな姿勢がみられるようになった要因は何でしょう?

石合さん)研修を始めるときに「いくらでも失敗していい」と話してくださることが一つの要因ではないでしょうか。
今の新入社員は失敗することをものすごく恐れる人が多い世代なのです。ですので、その恐怖を一回取っ払い、研修ではどんな失敗をしてもいい、失敗して巻き返すことが大切だと何回も伝えてくださいました。そういう日々の言葉が響いてきているのかもしれません。

「失敗が経験になることを新入社員たちは研修のなかで学んでいきました」(石合さん)

実戦さながらの開発プロジェクト演習で、クライアント・開発の両方を学ぶ

— 新卒技術研修の具体的な内容を教えてください。

有田さん)弊社は内製開発をするエンジニアと、発注側、いわゆる上流工程を担当するエンジニアの両方がいますので、新卒技術研修では特定のスキルに偏ることなく満遍なく学ぶところが特徴です。それ以外にも企画、マーケティング、デザイナーなどの職種で採用された方もいますが、基礎知識の習得、新卒同士の関係性の構築の意味でも、専門職は一緒に研修を受けてもらっています。
基本的にはITの基礎知識を身に付けたうえで、開発に必要な一通りのバックエンド、フロントエンドの知識を学びます。その後、「開発プロジェクト演習」を実施して、クライアント側、開発側を体験するというプログラム構成になっています。

— 技術研修のなかで印象に残っているカリキュラムはありますか?

石合さん)後半に実施する「開発プロジェクト演習」ですね。要件定義を行って、それを実際にクライアント側と開発側に分かれて、開発体験する実践さながらの研修になります。アイティ・アシストの教材を使って役割を分担し、責任者を決めながら作業をしていきました。

— このような実践型の研修を組み込むメリットは?

有田さん)技術力はある一定の基準まで必要です。それと同時に私たちは、何かを発注するときにベンダーとのやりとりが発生します。どのように伝えたら円滑か?どうやって合意を取っていくのか?という、立場が異なるとコミュニケーションも変わるということを研修のなかで体感してほしい、と考えています。弊社はシステムやWebサイトなどを作ることもありますし、依頼することもありますので、両方をできるだけ早い段階で体験することにはこだわっていました。相談をしながらカリキュラムを策定したことで、弊社が大切にしたいと考えていることを伝える研修が実現したように思います。

石合さん)チームメンバーのなかで、一人でも置いていかれそうな人がいたら、そのグループ内で相互に支え合いながら進めていく姿がありました。
このように横のつながりが強いことは、弊社社員にとって大切なことの一つです。研修期間中に同期の強い絆が構築できていたことも良かったです。

開発プロジェクト演習では、チームごとに助け合い、ひとつのシステムを作り上げていきます。

新人主導の研修運営スタイル

— 新卒技術研修で取り入れた、研修の運営を新人に任せるスタイルはいかがでしたか?

有田さん)研修運営のスタイルは新入社員にとって重要な取組みです。具体的には、欠席連絡をする、オンライン実施の場合はZoomを設定する、資料の準備をするなど、新入社員が考えて実施していました。チームでやるべきこともたくさんありますので、少しでも手を抜くとみんなに迷惑が掛かってしまいますから、緊張感を持って一生懸命に取り組む姿が多くみられました。
側で見ていて私たちも、ついつい手取り足取り用意をしたくなってしまったり、声をかけたりしたくなるのですが、そうではなく、新入社員たちが自分たち自身で考えて運営に携わることで、社会人としての振る舞いを学べるところが魅力的でした。

石合さん)本年度は、新入社員たちが自ら業務効率化をする姿が見られたのには驚きましたよね。

— 具体的にはどういった業務効率化をしていたのでしょうか?

有田さん)研修期間中の朝の欠席者連絡やZoomのリンク共有などを、自動化ツールを使って効率化しているチームもいました。次の研修運営チームに引き継ぐ時に、何を考えてどのようにやったか、に加えて、さらなる改善や要請にどうこたえるか、どのやり方が一番いいのか、運用しやすいのかを、次に引き継がれるチームの目線で話し合っている姿には感動しましたね。

石合さん)デジタルテクノロジー戦略本部のバリューのなかに、「PDCA」の順序を入れ替えた「DCPA」というものがあります。まずは行動してみよう、という行動指針です。
研修期間中にも関わらず、新入社員たちがたくさん挑戦してくれて行動で示してくれていたので、バリューの体現にもなっていてよかったです。

「改善、効率化をしたいという欲求が新入社員たちのなかにも当然あるんです。それを課題として捉え、向き合って自然に解決しようとしていることに驚きました。すごいなと」(有田さん)

「私たちと同じくらいの本気度で」アイティ・アシストの教育スタンス

— アイティ・アシストの教育スタンスはいかがですか?

石合さん)個人・全体に対し、新入社員たちへのフィードバックが非常に丁寧です。評価できる点、あるいは、修正することでもっと良くなる点をはっきり言ってくれます。
例えば時間を守りましょう、といった初歩的なことも、私たち社内の人間が言ってもなかなか響きにくいですが、第三者から良くないということを注意されるのは刺激的な経験だと感じました。

有田さん)しかも、注意点を伝えるときに、コーチングの手法が徹底されていて「自分の頭で考えさせる声かけ」をしていますよね。私たちにとっても、新入社員たちへの関わり方、声かけの仕方が勉強になりました。

石合さん)また、フィードバックは私たち会社側へも丁寧です。私たちと遜色ないぐらい1人1人に寄り添った育成を“一緒に”してくれていると感じます。
1つの単元が終わった時にフィードバックをいただいたり、「○○さんはこういった特性がありましたよ」と話してくれたりしましたね。その学習内容だからこそ出てきた課題がありますから、そういう部分を見落とすことなく言語化して教えていただける点がとても助かります。

「アイティ・アシストの新卒技術研修は、研修というより、教育です。依頼する私たちと同じくらいの本気度で社内に入り込んできてくれる」(有田さん)

マイナビのこれから

— 今後の展望について教えてください。

石合さん)デジタルテクノロジー戦略本部では「Drive Digital Innovation(デジタル・イノベーションの推進)」というミッションを掲げています。事業をドライブさせていくために、デジタルやITの力を利用して、私たちの力でイノベーションを起こしていくことができるような人材を育てていきたいです。
自分の力に蓋をせず、可能性がたくさんあるということを信じて仕事ができる人材を育てていきたいです。

有田さん)私は組織づくりの観点で展望をお話しします。マイナビの規模がどんどん大きくなり、毎日、目の前の仕事に没頭していると、入社時に抱いていた夢や理想、社会貢献への想いを忘れがちです。しかし、これからはもっと自分の言葉で、自分の夢を語っていける組織にしていきたいです。そうすることで、さらに個人の想いが尊重でき、組織と個人の発展に結びつけていけるようにしていければ本望です。

— 最後に、アイティ・アシストに向けてひと言お願いいたします。

有田さん)組織の価値観の数だけ研修の選択肢がありますので、正解はそれぞれだと思います。マイナビはどんどん新しいことにチャレンジしていく組織ですので、これからも自発性の高い人材を増やしたいという狙いがあります。そういう意味で、同じチャンネルにあったサービスを提供してくれる研修会社を選べたと思います。アイティ・アシストのやり方がフィットしていたと改めて思います。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

新入社員にインタビュー

— 大きな成長を遂げて各部署に配属されていった新入社員たち。
実際に新卒技術研修を経験した3名の方に「一番の学びは何か?」を伺いました。
開発プロジェクト演習ではじめて見つけた、自分の役割

長谷川 拓実さん(マーケティング職採用)

3カ月間の新卒技術研修のなかで最も学びになったことは、「自分の役割を考えられるようになったこと」です。「開発プロジェクト演習」での経験を通して、 このように思えるようになりました。この研修の特徴は、ルールが少なく自由度が高いことと、その反面、自分たちで研修を作り上げていく難しさが共存していることでした。

この研修では、新入社員が各チームに分かれて課題を見つけ、意見を出し合い、答えを導いていきます。じつは、理系・文系出身の両方が集まった慣れないメンバー同士で価値観がずれ、期限ギリギリまで意見がまとまらずにいました。私はこれまで複数人で何かを作り上げるという経験はしたことがなかったので、関わり方に戸惑っていました。

しかし、次第にチームのなかで「どうやって働きかけたらチームがうまくまとまるか?」という点に自分の役割を見つけ、進むべき方向へみんなの意識を向けることを考えるようになっていきました。
結果、チームとして最優秀賞をとったことは大きな自信になりましたし、自分で働く意味を見出せるようになったことで、仕事に対してもポジティブに考えられるようになりました。一面的な知識や技術にとどまらず、自由な環境下でもがき、考えさせてくれたこの研修にとても感謝しています。

失敗を恐れず、PDCAを回す。働く姿勢が今後の武器に

川上 虹歩さん(システムエンジニア職採用)

研修では、たくさん失敗できたことが大きな学びになりました。失敗を失敗とするのではなく、失敗をしたときに経験として捉えられるようになりました。これは「PDCAサイクルを回す」ということが自然とできるようになったからだと思います。

例えば、技術的なところですと、私の場合は文系出身でPythonなどのプログラミング言語についてはわからないところからのスタートでした。そこを「わからない」で諦めるのではなく、まずは手を動かそうと取り組みました。「違ったから、別のやり方をやってみよう」と考えたり、技術力の高いチームメンバーに教えてもらったりと、悔しい気持ちもかみしめながら克服する方法を試行錯誤しました。こういった物事への取り組み姿勢を身に着けられたことが、研修の学びです。

いよいよ配属が決まりました。変化の速いIT業界で働く社会人として、ずっと勉強し続けられる人になっていきたいです。新しい技術なども積極的に取りに行き、それを社内でアウトプットしていきます。

ITの基礎知識を網羅的に学習し、エンジニアとして自信に

三上 宗祐さん(開発エンジニア職採用)

仕事をする上で必要なITの基礎知識を幅広く学べたことが役に立っています。 私は、大学ではデザイン工学部で主にハードウェアのシステムデザインを学ぶ傍ら、アプリ会社でのインターンシップの中でウェブデザインに携わっていました。これまで携わってきたのはフロントエンドの部分ばかりだったのです。

一方で、データベースやネットワークの構築、OSなどのバックエンドの部分はやってこなかったので引け目を感じる部分でした。ですので、研修でITの基礎知識を網羅的に教えてもらい、いままで自分でも勉強してこなかった部分をしっかり学ぶことができたことが収穫です。研修で新しい学びを得つつ、これまでの人生で学んできたこととリンクをしながら、さらに学びを深めることができました。

また、今回の研修は同期のメンバーに教える機会もたくさんありました。そのことでいろいろ調べたり、問題を発見する能力を磨いてもらったりと、新しい気づきがありました。

配属先では、こういった気づきから質問力を高め、教えてもらう以上の知識収穫を目指していきます。エンジニアとしてだけでなく、経営的な視点でも早い段階で物事を考えられるようにしていきたいです。

取材日時:2023年8月

※ 文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです

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